50近くの手習い ―数学編―

数学を学びなおそうと思い立った47歳の奮闘記です

思い違いと反省

仕事が忙しくなってしまい, 全く更新できずにいました.

 

その間にも, 本は少しずつ読んでいたのですが, いろいろ気づいたことがあります.

微分積分, 解析の本には, 

(1)実数→極限→1変数の微分→1変数の積分

(2)極限→1変数の微分→1変数の積分

(3)1変数の微分→1変数の積分

と話を進める本があります. (2)が多い印象です.

 

単純に, (1)が厳密な本で, (3)はどうなんだろうと思っていました.

 

しかし, (2)や(3)がいいかげんな本であるわけではないわけです. そのことを, やっとわかりました.

(1)に属する本は, 読者に特定の前提を仮定せず, ていねいに述べていく種類の本です. 確かに厳密ではありますが, 万人に合うわけでないでしょう.

(2)は実数やその性質は知っていることとして, その知識をもとに話を構築している本です. (3)は極限までを高校で学習しており, その大まかな知識はあると仮定して, 話を展開するというものです.

単純に私は, (1)の本こそ厳密な本であると考えていましたが, 必ずしもそうとばかりはいえないような気がしています. たとえば, 堀川穎二先生の『新しい解析入門コース[新装版]』 は, あえて, 実数の性質や極限の厳密な理論に触れずに, 微分積分という概念に, すみやかに導くというようなことを述べています.

本によって, 何を前提としているかが異なっていること, 前提が定まれば, どの本もその前提からは,飛躍が少なく議論を展開しているということに, 今さらながら気がつきました.

なんでも初めから丁寧に書いてあれば厳密で, そうでない本は厳密ではないという印象は, ただの思い違いであることに気づきました. それぞれ著者が前提(数学的には公理系というのでしょうか?)を定め, そこから話を展開しているのだということでしょう. そのあたりを, もっとわかりやすく書いてくれるといいのにとは思いますが.

そのあたりをあまり考えずに, なんとなく(1)のような本を読めるようになりたい, そのためには, 1ページ目からていねいに読めば, いつかはわかるというような姿勢でいたんだなと. そのような姿勢では, 結局, またわからないという挫折の経験を重ねるだけでしょう.

何を, どう勉強するかをもっとはっきりさせて, 本を選択して勉強しなくてはいけないと反省した次第です.